ガルバリウム鋼板とは、近年注目を集めている金属サイディングボードの外装材の一つです。
初めて耳にした方や、言葉自体は知っているものの具体的にどういうものなのか知らない方は多いのではないのでしょうか?
今回はそんなガルバリウム鋼板について、メリットやデメリットなどについてまとめてみました。
ちなみにサイディングボードについてはこちらで詳しく説明しているので、ご興味ありましたらぜひご覧ください。
ガルバリウム鋼板のメリット
まずはガルバリウム鋼板のメリットからご紹介していきます。
錆びにくい
一般的な金属サイディングボードは軽くて丈夫な反面、錆びやすいというデメリットがありますがガルバリウム鋼板は錆びにくいことで有名です。
建物の壁が錆びてしまうと、その建物自体が古臭く感じてしまいます。
そのため、錆びにくい外壁というものは重宝される傾向にあります。
高寿命(耐用年数が長い)
ガルバリウム鋼板は平均して20~30年以上持つといわれています。
一般的な金属製の外壁素材であるトタンは10年~20年ほど経つとボロボロになってしまいます。
外壁がボロボロになってしまうとメンテナンスが必要になってしまいますのでガルバリウム鋼板がメンテナンスフリーだと言われる所以はここにあります。
軽いので耐震性が高い
ガルバリウム鋼板の3つ目のメリットとして、耐震性が高いというものがあります。
本来、鉄の塊が重いように金属は重いものですが、ガルバリウム鋼板は厚くて2~3mmほどの薄い金属板のため、他の金属板よりも非常に軽くなっております。
そのため、家自体を構成する木や金属などの建材、つまり家の基礎部分に対して負担が少なく結果的にガルバリウム鋼板には耐震性が高いというメリットが生まれます。
ガルバリウム鋼板のデメリット
次に、ガルバリウム鋼板のデメリットについてもご紹介していきます。
費用がかかる
ガルバリウム鋼板は他の金属製の外壁素材に比べて高価格です。
メンテナンスフリーのため費用がそこまでかからないと思われがちですが、
実際にはガルバリウム鋼板は非常にデリケートな外壁素材であるため、日々の細かいメンテナンスが必要となっています。
また、初期費用も高いため、初期費用、ランニングコストどちらもかかってくる割高な外壁素材となっています。
断熱性能を断熱材に頼る必要がある
ガルバリウム鋼板は実は断熱性能が低いというデメリットがあります。
元々ガルバリウム鋼板は外壁や屋根の見た目をよくするという目的や雨、紫外線、湿気、空気中の汚れなどの外の環境から家を保護するという目的のために開発されたものなので、断熱性能はついていないのです。
そのため、断熱性能をつけるためには別途他の断熱材を内部構造に入れ込むなどして対処する必要があります。
見た目に賛否両論がある
もちろんですが見た目をあまりよく思わない人もいます。
ガルバリウム鋼板は先述した通り、外観をよくする目的で採用する方が多い外壁素材です。
しかし、中にはトタンに似ていると感じる人もいるそうです。
錆びにくい材質ではあるが錆びる事もある
ガルバリウム鋼板のメリットの部分で説明した、錆びにくいという特長ですが、実は錆びにくい材質であるだけで錆びることもあるというのがデメリットのひとつです。
ガルバリウム鋼板の劣化について
ではガルバリウム鋼板はどのようにして劣化、つまり錆びていくのでしょうか?
いくつか錆びの種類がありますのでひとつひとつ説明していきます。
赤さび
赤さびはガルバリウム鋼板が傷ついてしまったところから発生するサビです。
特に固いものをぶつけなければ傷がつかないので発生はしません。
小石などが当たっても傷がついていきますので、ガルバリウム鋼板はかなりデリケートに取り扱う必要があります。
外壁素材なのにものがぶつかってはいけないという性質を持つので、注意が必要です。
白さび
白さびは潮風が吹く海の近くの家や、高温多湿な状況下でおきやすい錆です。
赤っぽい金属の錆というよりも、白い斑点がガルバリウム鋼板の表面に出来てしまう現象です。
シンプルで統一感のある見た目がウリのガルバリウム鋼板ですが、逆に白さびができると大きく目立ってしまうのが欠点です。
もらい錆び
もらい錆びというものもあります。
もらい錆びとは他の金属の錆をガルバリウム鋼板がもらって錆びてしまうという現象のことです。
実は錆びたネジが当たってしまうだけでも、錆びをもらってしまうのです。
また、例えばガルバリウム鋼板を使った建物が線路の脇にある場合、線路を電車が走った際に削れた鉄粉が建物についてもらい錆びを受けることもあるのです。
他のものとの接触腐食
もらいサビのような錆びた金属との接触だけではなく、錆びていなくても他の金属と接触することでガルバリウム鋼板は劣化してしまう現象をおこしてしまいます。
これを、電食といいます。
施工業者の知識が薄い場合にこの現象が起こりがちです。
また、このような接触腐敗ですが、金属以外でも木材についても同じような現象が起こります。
ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法について
ここまで、ガルバリウム鋼板のメリットやデメリットについてご紹介してきました。
デメリットの多くを占める、メンテナンスが必要という部分ですが、具体的にどういったメンテナンス方法があるのでしょうか。
ガルバリウム鋼板のメンテナンスは、実はシンプルです。
ガルバリウム鋼板の日々のメンテナンスは定期的に水をかけるだけなんです。
一年に一回でもいいですが、大雨の後外壁が汚れているようでしたら積極的に水をかけてあげましょう。
ガルバリウム鋼板の塗装は経験豊富な業者にしてもらう
このようにガルバリウム鋼板は細かい知識がない業者に頼んでしまうと劣化スピードが早くなってしまうこともあります。
そのため、ガルバリウム鋼板を塗装する際はガルバリウム鋼板の扱いに慣れた、経験豊富な業者に依頼することをお勧めします。
ガルバリウム鋼板に関する疑問、注意点
では最後にガルバリウム鋼板について、よくいただくご質問を紹介します。
ガルバリウム鋼板は何色が良い?
ガルバリウム鋼板の色に悩まれる方は多くいらっしゃいます。
白などの薄い色は雨だれの汚れが目立ち、黒などの濃い色だと泥ハネが目立つので結局何色にしたらいいのか決めかねられているというケースが多いです。
口述しますがガルバリウム鋼板のメーカーは多く、その分色も数多くの種類があるため、
悩まれている方は一度業者に相談してみるのがおススメです。
ガルバリウム鋼板のメーカーは?
ガルバリウム鋼板のメーカーは実は非常に多いです。
アイジー工業
日鉄住金鋼板
旭トステム
日新製鋼
淀川製鋼所
稲垣商事株式会社
ニチハ
月星商事
JFE鋼板
セキノ興産
福泉工業
東海カラー
YKKAP
東邦シートフレーム
北海鋼機
これだけのメーカーがありますのでまずはお気軽に話を聞いてみてはいかがでしょう?
ガルバリウム鋼板のメーカー保証について
ガルバリウム鋼板は非常に耐久性が高い外壁素材のため、メーカーも強気に10年以上のさび、穴あきの保証をつけている場合があります。
ただ、保証条件が厳しい場合もあります。
例えば現場で加工した場合は保証対象外というものです。
このように保証についてはいろいろとメーカーごとによって異なってくるため、
そこも含め業者に相談しましょう。